■何に救いを求めるのか?

一方で、現世に生きる人はみな、様々な現実の問題を抱えています。仕事の問題、家族の問題、友人の問題、お金の問題、恋人の問題、身体的な問題等々…。ウパニシャッドが説いていることは、こうした様々な問題をそのままにしておいても、人間は頭の中だけで悟りをひらいて幸福になれる…という意味ではありません。何百年間にも渡って作られた膨大な量のウパニシャッドには、哲学的な思想だけでなく、現実の様々な問題を解決するヒントもたくさん書かれています。古代インドの人々は、究極の幸福、すなわち「悟り」を得ることの重要性とともに、現実の問題を解決し、自分が自分らしく生きることが幸福につながる…ということも十分にわかっていたのです。

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